2016年5月 残雪の北穂高岳登山

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2016年5月4日 涸沢から北穂高岳を望む

2016年5月3~5日に、北穂高岳登山を行いました。applause

ゴールデンウイークということもありますから、混雑を予想して行ったのですが、週間予報による天候が不順なことや、GW前半に多く発生した遭難が原因なのか?上高地は閑散としており、GWとは思えないほど混雑は皆無でした。

おいらのアクセス方法は、毎日あるぺん号(夜行)で、新宿西口を前夜出発し、早朝5:30に上高地BTへ到着です。以前名古屋に住んでいた時は、名鉄バスを利用しておりました。バス利用は少々寝不足気味になりますが、早朝スタートという点ではとても有効だと思います。

上高地を出ると、横尾までほぼ平地歩きです。
ここで体力を消耗してしまうと後半がしんどいので、他の人のペースに乗せられないよう、自分のペースでゆっくり歩きます。横尾までの行程は3時間を見ていますので、ゆっくり歩いても時間には十分余裕が有ります。

横尾大橋を渡ると、徐々に高度を上げはじめ登山らしい道のりになってきます。1時間程度歩くと川に突き当たり橋が架けられています。本谷橋です。渡った反対側の岸が広く休憩をしている人が多く見られます。

この時期、本谷橋から先は雪が現れてきます、(昔はもっと麓から雪がありましたが、最近は雪が少なくなったように思います。)ここから先、スリップが気になる人はアイゼンを付けても良いと思いますが、冬の登山靴で有れば少々の坂道でもキックステップをきちんとすれば”つぼ足”で登れます。登りはかかとを蹴り込むような気持ちで、下りはつま先を先に付けるような気持ちでステップを切ると、足の裏全体に体重が乗せられてスリップが防げます。大股も厳禁です。登りで軸足がずるずる滑る人はだいたい背の高い大股歩きの人が多いように思います。

本谷橋から2時間ぐらい、最後の1時間ぐらいは上の方に涸沢が見えてきますが、見えてからの登りが辛く、なかなか近づかない感じがします。sweat

160503-155727_R涸沢に到着したら、営幕です。テントの受付は12時以降ですから、先にテン場を確保してテントを張ってから、届けに行くとちょうど良いです。

今年はテントが少なくテン場も広く使えました。天気予報既知の通り低気圧の通過が有りますから今夜は強い風が出るだろうと予測し、スノーブロックを切り出して積み上げます。スコップさえ有ればそんなに難しい作業では有りません。

まず、自分のテントを張る場所を決め、周りから一段下がるぐらい掘り下げます。そのとき、スコップで適当なサイズに雪を四角く切り出して、周りに積み上げてゆきます。広さは、自分のテントの広さプラス張り綱の広さが必要です。積み上げる高さは、自分のテントの天井あたりまであればベストです。上手な人はかなり高く積み上げていますが、万が一強風で倒れたときに自分や周りの人に影響のない程度にしておいた方が良いと思います。

1日目の夜、低気圧は前線を伴って日本海側を東へと移動していました。そのため南からの強い風が吹き込み、湿った空気は多くの雨に変わったようです。おいらは、雪になると予測していたのですが、結果は大雨、テントの中はラジオの音が聞こえないぐらいの大きな雨音がしていました。スノーフライのため、降雨に持ちこたえるのか心配でしたが、浸水はほとんど無く、一晩の雨ぐらいであれば問題なさそうです。

2日目、朝7時頃には雨が止み、8時頃には一度広く青空が広がりました。その後雲は多いものの、安定した天候が続くように見えましたので、9時頃から北穂高岳へ向かって登山開始です。

残雪の北穂高岳は、夏と異なり、北穂岳沢を直登します。夏はここは崖崩れやごろごろの岩場でとても登れませんが、雪が覆ってしまうこの季節は、東陵からの雪崩に注意しながら直登することが出来ますので、南峰へ回らずに直接北峰の山頂を目指すことが出来ます。

難易度は、晴れていれば冬山初級だと思います。登頂時間は2~3時間、山頂には営業小屋もあるので、かなり安心できます。

山頂へ向かう最後のコルからの登りが、クラストしていました。登りはさほど気になりませんが、下りにはスリップに注意が必要です。このあたりの登りは、ちょうど奥穂高岳のハシゴ後の登りに類似していますから、アイゼンとピックを使って登るトレーニングにもなります。少しトレースを外して、自分でステップを作りながら登って見ましたが、ピックも打ち込めるし、キックもつま先が凍っている雪面によく効きますから大変楽しいです。

ほんの数メートルですが、残雪期北穂への核心はここだけのように思います。

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北穂高岳山頂からキレット、南岳、中岳が見える。

北穂高岳山頂です。

ガスに隠れて見えませんが、大キレットの先に槍ヶ岳が見られます。写真の右端に写っている建物が北穂高岳小屋です。ほとんど山頂にあり、GWの時期は臨時営業をしています。暖かい食べ物が食べられますので、昼食をここで取るとちょうど良いと思います。

おいらは、ここのカルビ丼が大好きで、この数年の間に幾度か訪れていますが、いつも頂くようにしています。とてもきれいな小屋で、泊まった事もあるのですが、雰囲気のある良い小屋だと思います。窓からの景色も最高で、常念山脈から登る朝日を見ることが出来ます。

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2011年夏 北穂小屋窓辺に見る常念山脈の朝日(参考写真)
小屋の窓から槍の穂先を望む
小屋の窓から槍の穂先を望む(2011年夏)

少し昔の写真があったので、引っ張り出してきました。窓からこんな風景が眺められるのも、この小屋の魅力です。

 

 

食事を終わらせ、休憩を取ったら下山に取りかかります。

登りの際に注意した山頂からの最初の下りが少々注意が必要ですが、その後は雪の上をどんどん歩いて進みます。下りは登りの人のキックステップを壊してしまうので、少しトレースを外して、小股でリズミカルに歩くとものすごいスピードで下る事が出来ます。シリセードで下る人も多いですが、ウエアを傷めるので、おいらはあまり多用せず、アイゼンを外してセードーでおりるか、アイゼンのまま小股で駆け下りる方が良いように思います。この走り方は昔、厳冬期の伊吹山を長靴で登っているおじさんに教えてもらいました。giggle 長靴と長い木の棒(ストック)で「ザー」っとかっこよくセードーで下ってゆくのです。白いゴム長靴と作業服のおじさん、めちゃめちゃかっこよかったです。大股だとスリップしやすく、小股ですたすたとリズミカルに下った方がスリップしにくく、スリップしてもバランスが取りやすいように思います。広い雪原を下る際に試して見てください。

涸沢にテン場に戻るとテントが横倒しになっていました。surprised

昨夜の雨のせいで雪が溶け、ハンドが緩んでいたようです。もしテントごと吹き飛ばされていたら、今夜を過ごす場所もなければ、食料も失うところでした。ちょっとした気の緩みが事故を生みます。改めて反省しました。

3日目、下山の朝。涸沢ヒュッテで朝食代わりにおでんを頂きました。玉子、ちくわ、大根そしてジャガイモ。ジャガイモが腹持ちがよく、おすすめです。下山のため片付け作業を減らした言う贅沢なわがままで、小屋の食事を利用してしまうと言う、テン泊者には邪道と言える行為ですが・・・。最近は食事は全部小屋でというテント泊者も多いと聞きますから、まぁこのくらいは許されるでしょう・・・。tease

下山の日は晴れる。

おいらのような筋金入りの雨男は、登山行動中は雨、下山の日は晴れというパターンが常駐化してきております。 😎  SNSでは、天候が悪いと分かっていて山へ行くことを色々言う方も多いですが、雨の日の行動をどうするかが本来の話で、雨の日に山へ行かないというなら、おいらのような雨男は一生山へ近づくことが出来ませんわな。verysad 山行きは風雨ありきです。台風の最中を高山へ突っ込むのは明らかに無謀ですが、自分の技量(天候予測や登山技術、知恵と工夫)に照らして低気圧の通過中の登山がどうあるべきかを教えてくれるのもやっぱり山であるとおいらは思います。

ガスに煙る吊り尾根を眺め梓川河原を歩く
ガスに煙る吊り尾根を眺め梓川河原を歩く

あなたも、どうぞ安全に、良い山行きを。sadbye

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